野見宿祢の自伝 4
わたしとケハヤとの天覧相撲から数か月がたった。
天覧相撲のあと、わたしは出雲に戻ることなく、そのまま大和にとどまり陛下に仕えていた。出雲の祭祀と政務は、わたしの息子のキイサツミが引き継いでやってくれている。
ある日の午後、わたしは陛下に呼ばれた。
「ノミ、軍勢の準備をしてくれ。これからサホビコの討伐に向かう」
陛下が仰せになる。
これにわたしは不思議に思って陛下に尋ねた。
「サホビコさまと言うと、陛下のお后であるサホビメさまの兄君ですよね。陛下の従弟(いとこ)でもいらっしゃいます。そのサホビコさまを討伐とは、穏やかならぬ話でございます。一体どういうわけでございますか?」
「うむ、それはな・・・」
陛下はその日の出来事を話し出した。
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☆サホビコの反乱
ここから「サホビコの反乱」と言われる物語を記述していきます。
サホビコは、古事記での表記は「沙本毘古王」、日本書紀での表記では「狭穂彦王」、読みはどちらも「さほびこのみこ」です。
サホビコの反乱は古事記と日本書記で若干話の流れが違います。拙ブログでは古事記をもとに進めてまいります。
なお、サホビコの反乱がおきたのは垂仁天皇5年、野見宿祢と當麻蹴速の相撲は垂仁天皇7年のことです。
なので、拙ブログでこの話を野見宿祢が語っているのは、時系列的にはおかしいのですが・・・
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