神武天皇の自伝 24
宇陀でエウカシを誅殺したわたしは、オトウカシも味方につけて、皇軍を率いてさらに大和を目指す。
そして忍坂(おしさか)までたどり着いた。ここは大和の平原の西の端だ。ここを越えればいよいよ大和である。
この忍坂はヤソタケルが支配しているという。そして斥候に出ていた兵士から情報が入ってきた。
「ヤソタケルは我々が進軍してきているという情報を察知していて、迎え撃つべく軍勢を整えています!」
そこでわたしはミチノオミとオオクメに命じ、ヤソタケルを討つための準備を整えさせた。
ところが、ここで熊野からついてきた国つ神たちが進言する。
「ヤソタケルの軍は、とても獰猛で残虐非道、そしてその強さではほかに比類無しと言われています。今のイワレさまの軍でも勝てるかどうかはわかりません」
「そうか・・しかし、奴らを討たないことには先には進めない。ここはやるしかない・・・いや・・・待てよ・・・」
わたしはその時ふと、ある考えが浮かんだ。わたしはエウカシが策略を用いてわたしを宴の席に呼ぼうとしたことを思い出したのだ。
よし・・・今度はこちらが策略を用いて、ヤソタケルを宴の席に招待してやろう。そして・・・
わたしはその考えを実行することにした。
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☆忍坂
奈良盆地の西南の端であり、今まで山中を行軍してきたイワレはいよいよ奈良盆地に入っていきます。
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