神武天皇の自伝 23
エウカシは自分が仕掛けた罠にはまって死んでしまった。
オトウカシは改めてわたしに恭順の意を表した。そして今度は本当に我々を歓迎する宴を開いてくれたのである。
オトウカシはわたしだけでなく、側近や従者、兵士たちも招いてくれた。そして宴は盛大に行われた。
みな、久しぶりの宴席で、盛り上がっていた。
この宴の席で、わたしは立ち上がり、兵士たちの前で歌を詠んだのだった。
鶴の罠 宇陀の狩場に 張り待てば
罠にかかった 大くじら
古妻が おかずが欲しいと いうならば
少し分けよう ソバの実削り
新妻が おかずが欲しいと いうならば
たっぷり上げよう クリをちぎって
ほら見てみろよ ああ面白い
笑ってやろう ああ面白い
この歌を聞いた兵士らは拍手大喝采で、宴は大いに盛り上がったのだった。
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☆久米歌
古事記ではここから歌謡により物語が進められていきます。この歌を「久米歌」と言い、久米氏に伝えられて宮中で久米舞とともに謳われたそうです。
ちなみに今回、拙ブログにおいては、できるだけ歌の雰囲気を出しつつ、現代語で七五調に作ってみました。
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