古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

海の底へ

山幸彦の自伝 9

 

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わたしはシオツチが編んでくれた籠の船に乗って、大海原に流れ出していった。

 

どれくらい沖に出たのだろうか・・・あたりは水ばかりである。

シオツチを信頼することにはしたが、果たしてこんなんで兄ホデリの針を見つけて帰ることができるのだろうか・・・

・・・もう、考えるのも疲れてしまった・・・

 

・・・わたしはどっと疲労を感じ、うとうとと寝入ってしまったのであった・・・

 

・・・そして、目が覚めた。

 

 

籠舟は止まっていた。地の上にあった。

ここはどこだろう・・・知らない間に陸に上がっていたのか・・・

 

しかし、何か様子が違う。あたりは明るいが、それは陽の光ではない・・・柔らかく、優しい光に包まれていた。

わたしは思わず上を見上げてみた・・・

 

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頭上からは優しく青白い光が降ってきており、頭上には無数の魚の影らしきものが動いていた・・・

・・・まさか、ここは海の底なのか?・・・

 

改めてあたりを見渡すしてみた。すると、目の前には・・・

 

立派な宮殿があった。いくつもの建物が、あたかも魚のうろこのように立ち並んでいる・・・

宮殿の門の前には井戸があり、その横には大きな桂の木が茂っている・・・

 

何もかも、シオツチが言ったとおりだ・・・

 

≪本文中の画像はぱくたそより加工して転載≫

 

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山幸彦の自伝


 

☆桂

 

古事記において桂の木は、ここの他にもワカヒコの屋敷に降りてきた雉のナキメがとまって啼いたりしています。

桂は日本や朝鮮半島支那の各地に広く分布しています。香りがよく耐久性があるので、神話の時代から建材や木工品として広く利用されてきました。

 

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  ≪画像は古湯温泉近くの下合瀬の大カツラ

 

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