山幸彦の自伝 2
その日、兄ホデリは朝からいつものように海に釣りに出かけていた。わたしは高千穂の宮に残り、政務をとり行っていた。
夕方になり、ホデリが帰ってきた。
「ホオリ、今帰ったぞ。見ろよ、今日も大漁だ!」
ホデリが持ってきた籠には、今日も大小たくさんの、活きのいい魚がいっぱいまで詰まっていた。
「わあ、兄上、すごいですね」
「おう、今日もこれを臣下のものにふるまってやろう」
「民も喜びますね・・・」
そう言いかけたとき、わたしはある考えが浮かんだ。そしてホオリにその考えを伝えた。
「兄上・・・明日、わたしと道具を取り換えてみませんか」
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☆高千穂宮
古事記ではホデリとホオリの父ニニギが高千穂宮を造営します。その4代目の神武天皇も東征前は高千穂宮にいたようなので、おそらくその後ずっと子孫も高千穂宮にいたのでしょう。
その地は宮崎県西臼杵郡高千穂町の高千穂神社とされています(諸説あります)
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