古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

ワカヒコも帰ってこない・・

 オモイカネの自伝 20

 

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ホヒ様に続き、ワカヒコがアマテラス大御神の特使としてオオクニヌシとの交渉のため、日本に降りていくことになりました。

 

ワカヒコは日本に降りていきました。しかし・・・

 

ワカヒコもなかなか戻ってきません・・・。1年、2年、3年・・・ついに8年もの年月が経ちましたが、ワカヒコからは何の音さたもありません。

ついにしびれを切らしたアマテラス大御神は、またもや八百万の神々を天安河原に集めました。

 

「ホヒに続き、ワカヒコも8年もの間、戻ってきません。まさかオオクニヌシのもとに遣わした神が二人続けて帰ってこないとは、思いもしませんでした。この事態、どうすればいいのでしょうか」

と、仰せになられました。

 

わたくしは

「まず、ワカヒコがなぜ帰ってこないのか、探る必要があるでしょう。ここはキジのナキメを遣わして、なぜワカヒコが復命しないのか、探らせてみてはいかがでしょうか」

と申し上げました。

八百万の神々も、わたくしのこの案に賛成いたしました。

 

こうしてキジのナキメが日本の国に降りていくことになりました。

 

  

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オモイカネの自伝 目次

 

 

☆キジ

 

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(画像は森の父さん花鳥風穴より)

 

ナキメは日本の国鳥とされているキジの女神です。

 

ケーンケーン」と甲高い声で鳴くキジ。

古事記にも記載されているように古くから日本人とかかわりの深い鳥でした。「キジも鳴かずば撃たれまい」ということわざや、そのもととなった民話もよく知られています。

桃太郎の家来の鳥でもありますね。

 

もっともナキメは女神ですが、キジで鳴くのはオスだけです。また、画像のような、きれいな羽を持っているのもオスで、メスは地味な灰色だそうです

 

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