わたしはオオナムヂを宮殿の一室に案内し、扉を開けると
「ここがお前が寝る部屋だ、入れ」
と言った。
「はい、ありがとうございます」
オオナムヂは素直に部屋の中に入って行った。
オオナムヂが部屋に入った後・・・
わたしは扉に外から閂をかけた。これでオオナムヂは部屋から外には出られない。
ふふ・・・オオナムヂは今頃、どんな顔しているだろうか・・・
明日の朝が楽しみだ・・・
じつは、オオナムヂを閉じ込めた部屋は「蛇の室屋」なのだ。
その部屋の床には何百匹もの無数の蛇が這いまわっている。中には猛毒を持つ毒蛇も多数混じっている。
さあ、オオナムヂは、この蛇たちの洗礼を、どう乗り切るだろうか・・・
まあ彼のことだ、死ぬことはないだろうが・・・
万一この程度のことで音を上げるようであれば・・・
・・・ま、しょせん、その程度の男だったということだ・・・
わたしは翌朝オオナムヂがどんな反応を見せてくるか楽しみにしながら、その夜の床に就いた。
前<<< オオナムヂを客間に - 古事記の話
次>>> スセリヒメが外に - 古事記の話
スサノオの自伝 目次
≪リンク≫
小説古事記
古事記ゆかりの地を訪ねて
カリバ旅行記
温泉の話
駅弁の話
鉄道唱歌の話