古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オオナムヂが訪ねてきた

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「父上、お客様だです」

その日、スセリヒメがわたしのところに来て言った。

 

「なに?客だと?」

わたしは不振に思った。

この根の国には、わたしとスセリヒメしかいないはずだ。それとも、地上の日本から訪ねてきたのか?何のために?

 

「どんな奴だ?」

「はい、とても立派な神様です」

 

・・・どことなく、娘の様子がおかしい。いったい、どうしたというのだ・・・

 

とにかくそのやってきた客というのを、ここに通させることにした。

 

ほどなく娘に連れられて、その客というのがやってきた。まだ若い。

そいつはわたしを見ると、元気のいい声で言った

 

スサノオさまですね、お初にお目にかかります。わたくしはオオナムヂと申します」

 

みたところ、どこにでもいる普通の若者だ。しかし・・・

 

・・・わたしは見抜いた。そいつが普通ではない、とんでもないやつであることを・・・ 

 

 

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