わたしはスサノオさまにシラミ取りを命じられて、スサノオさまの頭の後ろにしゃがみ込んだ。そしてスサノオさまの長い髪の毛をかき分けた。
すると・・・
わたしは思わず手を引っ込めた・・
シラミではない!!
スサノオさまの髪の中ではい回っていたものは・・・
・・・・・
・・・・・・
ムカデ!
・・・
(画像はイラストポップより)
無数の猛毒を持ったムカデが、長い髪の中にうようよはい回っているのだ!
顔から血の気が引いていくのが自分でもわかる・・
こんなのをどうやって潰せというのだ・・・先日来何度も途方に暮れているが、また途方に暮れようとしていた時・・・
そっとスセリヒメが私に近づいてきた。そしてわたしに小さな袋を差し出した・・・
袋の中を見ると、椋の実と、赤土が入っていた。
「そうか!」
わたしは椋の実を口に含んでカリカリとかじり、それを赤土とまぜて、ぺっ!と吐き出した。それを繰り返す。吐き出したものは、いかにもムカデを嚙み潰したように見えた。
それを見たスサノオさま・・・安心したのだろうか・・・
そのうち、いびきをかいて寝込んでしまった。
前<<< 矢を持って帰る - 古事記の話
次>>> わたしは変わった・・ - 古事記の話
オオクニヌシの自伝 目次
≪リンク≫
小説古事記
古事記ゆかりの地を訪ねて
カリバ旅行記
温泉の話
駅弁の話
鉄道唱歌の話