食事が終わってのことだった。おもむろにスサノオさまが申された。
「寝室に案内してやる。来い」
わたしはスサノオさまについていった。そして宮殿の一室の前で止まると、その扉を開けて
「ここがお前が今夜泊まる部屋だ。入れ!」
という。
わたしは素直に中に入った。中は真っ暗だ。
バタン!
大きな音が響いた。後ろを振り向くと、扉が閉まっている。
スサノオさまは扉の向こうから
「ゆっくり休むが良いぞ!」
そういうと、去っていったようだった。
私は扉を押してみた・・・開かない・・・どうやらスサノオさまは、扉に外側から閂をかけていったようだ・・・
仕方なく、わたしは部屋の中に目をやる。中は真っ暗だが、天井近くに明り取りの窓が開いていた。そこから入るわずかな光で目を凝らしてみると・・・
・・・そこに、わたしが見たものは・・・
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