わたしとイザナミが愛を誓いあい、時がたった。妻イザナミは妊娠していた。
そして子が産まれた。わたしたち夫婦にとって初めての子だった。
しかし・・
生まれた子を見てわたしたちは衝撃を受けた。生まれた子はヒルコ・・そう、手も足もない、まるでヒルのような姿の子だったのだ。
やむなくわたしとイザナミは、この子を葦の船に乗せて流すことにした。
・・・いや、今の価値観で非難しないでいただきたい。
医療が発達した令和の時代と違い、その当時は障害を持った子を育てていくことはできなかったのだ。神の力をもってしても・・
ただ、わたしたちが海に流したヒルコ、その後日本の海岸に流れ着き、今では人々の間で恵比寿様として祀られているのは幸いである。
次に生まれたのはアワシマだった。これも名の通り海の泡となって消えていった。
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☆西宮神社
海に流されたヒルコが流れ着いた地であり、全国のエビスさまの総本社とされています。
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