古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オシハを誘い出す

 

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オオハツセはマヨワをかくまったツブラの屋敷を取り囲み、二人を自害に追い込んだ。こうしてマヨワの変は終わりを遂げた。

 

オオハツセはマヨワの鎮圧に自ら先頭に立って軍を指揮し、名声を上げた。次の天皇はオオハツセだという声が日増しに強くなっていった。

一方、血気盛んな、まだ少年のオオハツセが皇位を継ぐことに危険を感じる官人も朝廷内では多かった。彼らは次の天皇として第17代履中天皇の御子、オシハを推していた。

 

次の皇位をめぐっての対立は日に日に激しくなっていった.。オシハは皇位などさらさら眼中になかったので静観していたが、オオハツセはオシハが邪魔だと考えるようになった。

 

そんな折、オオハツセは臣下のカラフクロから

「淡海の久多綿の蚊屋野(おうみのくたわたのかやの)にはたくさんのイノシシやシカがおります。その足は何本も低木が立っているようで、頭の角はまるで枯れた松の枝が立ち並んでいるようです。」

という話を聞いた。

 

その話を聞いたオオハツセは、オシハを近江のその地に狩猟に誘い出した。もちろん、機を見てオシハを暗殺しようという心で・・

 

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☆淡海の久多綿の蚊屋野

 

現在の滋賀県蒲生郡日野町とも、滋賀県愛知郡愛荘町とも云われています。

 

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