さて、天皇がマヨワにより殺された翌朝。当然のことながら、宮中は大騒ぎとなった。
急を聞いて天皇の同母弟、オオハツセが駆けつけてきた。この非常事態にオオハツセは
「今後の指揮はわたしがとる!」
と宣言すると、直ちにマヨワの捜索を命じた。
既にマヨワは宮中を抜けだし逃走していた。
オオハツセは兄弟たちに知らせるため、馬に乗って兄のクロヒコのもとに急いだ。
「兄上!天皇が殺された!急ぎ参上してくれ!」
しかしクロヒコの反応は鈍かった。
彼は皇位継承から外れた身である。政権の中枢からも離れていた。天皇が殺されようが、あまり関心はなかった。
この態度に、血気盛んな少年のオオハツセは激怒する。
「天皇であり、兄である天皇が殺されたのだぞ!それを驚きもせず、その態度は何だ!」
オオハツセはクロヒコの着物の襟をつかんで引き倒すと、太刀を抜き一瞬のうちに殺してしまった。
次にオオハツセは、これも兄であるシロヒコのもとに急いだ。しかしシロヒコの反応もクロヒコと同じであった。
ここでもオオハツセは激怒し、今度は襟をつかんだまま小治田まで引きずってきた。そして穴を掘って埋めてしまった。腰まで埋まったところで、シロヒコは両方の目玉が飛びだし死んでしまった。
そのころ、捜索隊から、マヨワは臣下のツブラの屋敷に居るとの報が入ってきた。
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古事記下巻 仁徳天皇~推古天皇 目次
☆允恭天皇と皇后の間には
5人の男児が産まれました。整理してみましょう。
長男 キナシ →伊予に流され自殺
次男 クロヒコ →オオハツセに殺される
三男 アナホ(安康天皇)→マヨワに殺される
四男 シロヒコ →オオハツセに殺される
五男 オオハツセ
いやはや、自殺したり、継子や実弟に殺されたりと、なんとも血なまぐさい時代になってきました・・
≪リンク≫
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古事記ゆかりの地を訪ねて