古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

伊吹山の神、怒る

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ヤマトタケルは、伊吹山の神を討伐するために、山に登っていった。

 

その時、一頭の白い猪に出くわした。まるで牛のような、大きな猪だった。

ヤマトタケルはびっくりしたが、あまり恐怖感は感じなかった。

 

「なんだ、こいつ・・・まあおおかた、伊吹山の神のつかいだろ、ほっとこう」

 

ヤマトタケルは無視して先に歩みを進めた。しかし・・・

 

草薙剣を置いてきてしまったヤマトタケル、その草薙剣にはアマテラスの神霊が宿っていた。

草薙剣を置いてきた時点で、ヤマトタケルは神に見放されていたのだ・・・

 

ヤマトタケルが「神の使いだろう」と軽く考えて無視した白い猪、しかしそれは遣いなどではなく、伊吹山の神そのものだった。

「ほっとこう」と言って無視したヤマトタケル・・その言葉と態度は、伊吹山の神を怒らせるのに十分だった。

 

ヤマトタケルに軽く扱われて激怒した伊吹山の神は、天候を急変させ冷たい雨と雹をヤマトタケルに浴びせたのだった。

 

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