古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

別れ、再び

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ヤマトタケルは、ミヤズヒメの屋敷に数日の間、滞在していた。

だが、ヤマトタケルは大和の天皇のもとに復命しなければならない。

 

「ミヤズヒメ、きっとそなたを迎えに来る。それまでしばし、待っていてくれよ」

ヤマトタケルはミヤズヒメの手をしっかり握って言う。

 

「はい、いつまでもお待ち申し上げております」

ミヤズヒメもヤマトタケルの眼をしっかり見ながら言った。

 

ヤマトタケルは続けて言う。

「そうだ、ミヤズヒメ・・・これを預かっておいてくれないか」

ヤマトタケルがミヤズヒメにわたしたもの・・・それは草薙剣だった。

 

 「え・・・ヤマトタケル様・・・これは草薙剣ではございませんか・・・いけませんわ、この太刀は神霊が宿っていて、今までヤマトタケルをお守りしてきたものではありませんか!この太刀を置いていって、どうするおつもりです!?」

 

「いいんだ、もう東国はおおかた平定した。あとは大和に帰るだけだ。そなたを迎えに来たとき、その太刀も一緒に大和に持ち帰ろう」

そういって、ヤマトタケルはミヤズヒメと別れ、大和への旅路を進んでいった。

 

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