ヤマトタケルは、ミヤズヒメの屋敷に数日の間、滞在していた。
だが、ヤマトタケルは大和の天皇のもとに復命しなければならない。
「ミヤズヒメ、きっとそなたを迎えに来る。それまでしばし、待っていてくれよ」
ヤマトタケルはミヤズヒメの手をしっかり握って言う。
「はい、いつまでもお待ち申し上げております」
ミヤズヒメもヤマトタケルの眼をしっかり見ながら言った。
ヤマトタケルは続けて言う。
「そうだ、ミヤズヒメ・・・これを預かっておいてくれないか」
ヤマトタケルがミヤズヒメにわたしたもの・・・それは草薙剣だった。
「え・・・ヤマトタケル様・・・これは草薙剣ではございませんか・・・いけませんわ、この太刀は神霊が宿っていて、今までヤマトタケルをお守りしてきたものではありませんか!この太刀を置いていって、どうするおつもりです!?」
「いいんだ、もう東国はおおかた平定した。あとは大和に帰るだけだ。そなたを迎えに来たとき、その太刀も一緒に大和に持ち帰ろう」
そういって、ヤマトタケルはミヤズヒメと別れ、大和への旅路を進んでいった。
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