西国各地を平定し、朝廷に従わない者は征伐し、ヤマトタケルは大和にに帰ってきた。
「父上、ただいま戻りました!クマソタケルだけではなく、イズモタケルやほかの朝廷に反抗する者どもを平定してまいりました!もう西国はすべて朝廷の支配下であります」
しかしそれを聞いた天皇は、表情も変えず、冷たく言い放った。
「そうか。ところで、まだ東国にも朝廷の命令を聞かない者がたくさんいる。お前はその者どもを平定し、朝廷に服させよ」
「え・・・父上・・・」
てっきりほめてもらえると思っていたヤマトタケルは、父の言葉にあっけにとられていた。
天皇は続けて言う
「供にタケヒコをつけよう。ヒイラギの矛も持っていくがよい」
それだけ言うと、天皇は奥に消えて行ってしまった。
ヤマトタケルは途方に暮れた。タケヒコという人物がどんな人物なのか全くわからないし、ましてやヒイラギの矛なんて神事に使うもので、実戦に役立つものではないのだ・・
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