オウスは南九州、熊襲の地に来ていた。
熊襲を束ねているのはクマソタケルの兄弟である。オウスはクマソタケルの屋敷を訪ねていた。
屋敷のまわりは兵士が三重にも取り囲んで厳重に警備しており、とても正面からはクマソタケルを打ち取れそうにない。
そのとき、クマソタケルの屋敷では、おりしも屋敷の新築祝いの宴が開かれようとしていた。
オウスはひたいで結っていた髪をほどき、後ろに垂らした。そして叔母のヤマトヒメから借りた衣装を着込んだ。
するとどうだろう・・・
オウスはもともと年の頃十五の美少年である。その髪を少女のように垂らして女性の衣装を着込んだものだから、どこから見ても、かわいらしく美しい美少女に変身してしまったのだ!
こうして女装したオウスは、宴の世話をする女官たちに交じって、クマソタケルの屋敷に忍び込んでいった。
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☆熊襲
九州南部に住んでいたとされる部族です。
鹿児島県霧島市隼人町にはクマソタケルの兄弟が住んでいたという「熊襲の穴」が残っています。
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