古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

赤い玉を産んだ朝鮮娘

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さて、ときじくのかぐの木の実を日本に持ち帰ったタヂマモリ。彼は朝鮮、新羅の王子を祖先としている。

 

昔、新羅の国の、ある沼のほとりで、一人の娘が休んでいた。すると陽の光が虹のようにその娘の陰部に差し込んだ。そして、娘は妊娠してしまったのだ。

娘はすぐに出産した。しかし・・娘が産んだのは、赤い玉だった。

 

娘は訳が分からず、呆然としていた。

 

たまたまこの一部始終を、通りがかった一人の男が見ていた。そしてうろたえている娘を見て言った。

「お嬢さん、何も心配なさいますな。この赤い玉は私がもらい受けましょう。あなたは何事もなかったようにして家にお帰りなさい」

 

こうして男はその赤い玉を譲り受けた。

男は腰にその赤い玉をつけ、牛を引いていった。男は村々の田で働く人たちのために食料を届けていたのだ。

 

ところが、その時通りかかった新羅の王子、アメノヒボコが男を捕らえてしまったのだ。

 

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古事記中巻 神武天皇~応神天皇 目次

 

 

 タヂマモリ

 

古事記では中巻の巻末に、タヂマモリの祖先である新羅の王子の話が掲載されています。

 

橘(たちばな)を日本に持ち帰ったタヂマモリは菓子の神として信仰されています。

 

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