古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オオモノヌシの祟り

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皇祖アマテラスの末裔イワレは、日向を出港し苦難の旅の末、大和の地で初代の神武天皇として即位した。その末子、カムヌナカワが2代目の綏靖天皇として即位した。

 

時は流れ、安寧天皇懿徳天皇孝昭天皇孝安天皇孝霊天皇孝元天皇開化天皇と、親から子へと皇位は受け継がれていった。

そして世は、開化天皇の御子であるミマキイリビコが天下を治めていた。第10代の崇神天皇である。

 

崇神天皇の御代に、疫病がはやり、多くの民が病死していった。天皇はこの状況を憂い悲しんだ。

この状況を治めるために、天皇は毎晩のように神に祈っては、そのまま神床で休んでいた。

 

そんなある夜のことだった。神床で寝入っていた天皇の夢の中にオオモノヌシの大神が現れた。オオモノヌシは天皇に告げた。

 

「いま世の中に疫病がはやり、そなたは憂いている。この疫病は私の神祟によるものだ。

はるかな昔、神代のころ、オオクニヌシが大和の山に祠を造りわたしを祀ったが、その後、時はたち、わたしは人心から忘れ去られてしまっているのだ。

そなたはオオタタネコという者を探し出し、その者に私を祀らせるがよい。そうすれば疫病は治まり、国も平安になるだろう」

 

目を覚ました天皇は、翌朝、早速各地に遣いを出し、オオタタネコを探させた。果たして河内の美努村にオオタタネコを探し出し、宮中に召し出した。

 

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古事記上巻 日本神話 目次
古事記中巻 神武天皇~応神天皇 目次

 

 

 ☆オオモノヌシって・・・

 

オオクニヌシの国造り、神武天皇の皇后探し、に続いて三回目の登場ですが・・

 

オオクニヌシには「自分を祀らなければ国造りは失敗する」と脅し、神武天皇皇后の生母セヤダタラヒメは強姦まがいに我が物にし、そして今度は疫病をはやらせて自分を祀れという・・

 

なんともすごい「神様」だ・・・

 

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 ☆崇神天皇 

 

第10代の天皇ですが、実在した最初の天皇と言われています。宮(皇居)があった場所は現在の奈良県桜井市の志貴御縣坐神社と言われています。

 

karibaryokouki.hatenablog.com

 

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