こうして各地の荒ぶる神を平定したイワレは大和に入った。
イワレは宣言した。
「私は東に向けて出発して以来、天の神の威光をもって国を平定した。これからは大御宝(おおみたから)である日本の民の幸せを願い、平安に日本の国を統治していかねばならない。ここに都を造り、天下をもって一つの家となそうではないか」
こうしてイワレは畝火(うねび)の白檮原(かしはら)の地に宮を造営した。
宮が完成したその日、イワレは日本初代の天皇(スメラミコト)として即位し、ここから日本としての国が始まった。
イワレは後に、カムヤマトイワレビコノスメラミコト(神倭伊波礼昆古天皇)とも、また神武天皇とも呼ばれるようになる。
前<<< 日向からの東征、終わる - 古事記の話
次>>> 皇后、神の御子 - 古事記の話
古事記上巻 日本神話 目次
古事記中巻 神武天皇~応神天皇 目次
☆日本の建国
126代今上天皇に続く、皇室の初代・神武天皇(じんむてんのう)。その即位日は、日本書紀の記述をもとに現在の暦に換算すると、西暦の紀元前660年2月11日となります。
西洋や支那では王朝ができては反乱で倒され、あるいは外敵の侵入で滅び、その度に新しい王朝が建てられてきました。
そんな中で日本は2680年もの間、一つの王朝、一つの国として続いています。
(もちろん神武天皇は伝説上の存在ですが、確実な記録が残っている時代から起算しても1500年以上続く世界最古の国家です)
☆橿原神宮
神武天皇が即位した白檮原宮の跡に明治23年にに創建されました。