エウカシは自分が仕掛けた罠にはまり圧死してしまった。
オトウカシはイワレに恭順の意思を示し、改めてイワレと兵士を招いて盛大な饗宴を開き一行を歓迎した。
そしてイワレの一行は宇陀の地を出発し、忍坂(オシサカ)についた。
そこはヤソタケルの支配下にあった。ヤソタケルもまた、天の御子が来るという情報を得て、軍を整えて待ち構えていた。
イワレはミチノオミやオオクメと相談し、ヤソタケルを攻める算段を整えていた。しかしそこに、熊野から従ってついてきた国つ神たちが進言した。
「ヤソタケルの軍はとても強く、その勇猛さは比類ありなせん。今の天の御子の軍勢では、勝つのは難しいかもしれません」
それを聞いたイワレは、正面から戦うのをやめて、策略を用いてヤソタケルを攻めることにした。
前<<< 策略の果てに・・ - 古事記の話
次>>> 今度はイワレが策略を・・ - 古事記の話
古事記上巻 日本神話 目次
古事記中巻 神武天皇~応神天皇 目次
☆忍坂
奈良盆地の西南の端であり、山中を行軍してきたイワレの軍勢はいよいよ大和の地に入ります。