古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

わたしは泣いていた

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わたしは父神から、海原を統治するよう命ぜられた。

しかし私は、あまり気が乗らなかった。

 

別に海原の統治を行うのが嫌だったわけではない。

父に対する反抗心とでもいおうか・・

父が決めた通りにするのが嫌だったのだ。

 

姉と兄は、父に命ぜられた通り、すぐにそれぞれの世界を治めに言った。

しかしわたしは、海にはいかなかった。

 

それよりも、会ったこともない母神への思いが強かった。

お母様・・・会いたい・・

思いは日増しに強くなっていった。

わたしは母のことを思い浮かべては、毎日泣いていた。

 

そしてその日が来た・・

父神がわたしに勘当を申し付けたのである。

 

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