古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

タカクラジの夢の話

f:id:karibatakurou:20191026090147p:plain

 

そこは、高天原の神殿でした。アマテラス大御神とタケミカヅチの神がいたのです。そしてアマテラス大御神は、タケミカヅチの神に向かって言いました。

 

「いま、日本の国で、私の御子たちが苦難に直面しています。

日本の国はそなたが平定し、私の御子のもとに譲り受けたものです。なのでそなたはもう一度日本の国に降りて、私の御子たちを助けてあげてください」

 

タケミカヅチの神が答えて言うには

「わたしが降りずとも、わたしが日本の国を平定した太刀があります。この太刀を降ろせばいいでしょう。

この太刀をタカクラジの蔵の屋根に穴をあけて降ろしましょう。」

 

そしてタケミカヅチの神は、私に向かって言いました。

「タカクラジ、そなたはこの太刀を探し出し、天の御子のもとに献上せよ」

 

その時、わたくしは目を覚ましました。

そこで蔵の中を見ると、そこに夢で見た通りの太刀がありました。なので急ぎこの太刀をもって天の御子のもとへ献上しにまいったのです。

 

前<<<  タカクラジに助けられる - 古事記の話

次>>>  八咫烏とゆかいな仲間たち - 古事記の話

 

古事記上巻 日本神話 目次
古事記中巻 神武天皇~応神天皇 目次

 

 

石上神宮

 

タケミカヅチが日本を平定した剣というのは、つまり稲佐の浜で逆さに突き刺しその刃先にタケミカヅチがあぐらをかいて座っていたという剣なんでしょうね。

この剣、奈良県天理市石上神宮御神体として祀られています。

 

karibaryokouki.hatenablog.com

 

≪リンク≫
 
カリバ旅行記
温泉の話
駅弁の話