古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

瀬戸内海を東へ

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こうしてイツセとイワレの兄弟は、多くの軍勢を従えて日向を出港した。

 

兄弟の船団は日向灘を海岸沿いに北上し、豊の国の宇沙にいったん上陸した。

そこで、兄弟の前に一組の男女が現れた。

 

「わたしはこの土地の領主でウサツヒコ、それに妹のウサツヒメでございます。天の御子が東国へお出ましになるとお聞きし、おもてなしのために伺いました。

天の御子のために仮宮を用意してございます。そちらへおいでなさいませ」

 

兄弟はウサツヒコとウサツヒメについて仮宮のほうへ向かった。そこは川と陸にまたがって建てられていた。

 

イツセはウサツヒコに言った。

「あれが仮宮か、面白い形をしているな」

「はい、川から足を出して陸上に上がろうとしているようなので、足一騰宮(あしひとつあがりのみや)と申します」

 

兄弟は宇沙での歓迎を受けたあと、筑紫に向かい、岡田宮に入った。そこに一年間滞在した。

 

そこから瀬戸内海に入り、安芸の田祁理宮に7年間滞在した。さらに瀬戸内を東進し、吉備の高島宮に8年間滞在した。

各地に滞在しながら、周辺の豪族を天の御子のもとに従えていった。

 

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古事記中巻 神武天皇~応神天皇 目次

 

 

☆足一騰宮

 

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日向を出港したイツセとイワレの一行は、まず宇佐に上陸しウサツヒコ・ウサツヒメの歓迎を受けました。その地は宇佐神宮境内をはじめいくつかの地が比定されています。

 

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☆岡田宮

 

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 宇佐の地を出港し、筑紫の岡田の宮に入りました。現在の福岡県北九州市八幡西区の岡田宮と言われています。

 

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多家神社

 岡田の宮から瀬戸内海に入り、安芸の田祁理宮に入りました。現在の広島市街地にある多家神社と言われています。

 

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☆高島神社

 

宮崎から大分、北九州、広島と順当に進み、岡山の高島宮に入ります。比定地は諸説ありますが、現在の岡山市中区賞田の高島神社が有力視されています。

 

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≪リンク≫
 
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