にわかにトヨタマヒメに陣痛が襲ってきた。
産屋はまだ完成していない。だが、もう生まれる!・・・
トヨタマヒメは、まだ屋根を葺き終えていない産屋の中に入った。その間際、ホオリに言った。
「子供を産むとき、もともと本来の姿に戻って産むのが昔からの習わしです。わたくしも海の女神として、元の姿に戻って産もうと思います。ホオリさま、どうか子を産む私の姿を見ないでください。あんな恥ずかしい姿、とても愛する夫には見せられませんので・・・お願いします」
そういってトヨタマヒメは産屋に入ると戸をしめた。
え・・・
どういう意味だ・・・
そもそも海神の娘の本来の姿って・・・なんだ・・・
ホオリはトヨタマビメに言われたことが、気になって仕方がなかった。
もうどうにも抑えきれない衝動がホオリの心を支配していた。
そして、そっと産屋に近づくくと、まだ葺き終えていない屋根の隙間から中をのぞいてみた。
そこでホオリが見たものは!・・・
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☆見るなと言われて・・・
見てしまうお話。昔話の定番パターンですね。
鶴の恩返し、ギリシア神話のオルフェウス、黄泉の国に行ったイザナギ ・・・
さて、ホオリが見たものは何だったのでしょうか。