古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

ワニに乗って帰る

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続けて海神は海に住むワニを集めた。海神はワニに向かって言う。

 

「いま、天の御子が日本に帰ることになった。そこで日本まで送り届けてほしいのだが、一番早く日本に戻れる者はだれか」

すると、ヒトヒロワニが名乗りを上げた。

「私なら一日で送り届けることができます」と。

 

そこで海神はヒトヒロワニに向かって言った。

「ならばお前が天の御子を日本まで送り届けなさい。くれぐれも道中安全に送り届けるように、決して天の御子に怖い思いをさせないように気を付けなさい」

 

こうしてホオリは日本に帰ることになった。

 

「海神様、大変お世話になりました。ご恩は決して忘れません。

トヨタマヒメ、落ち着いたらまた一緒に住もう。待っててくれよ」

 

そしてホオリはワニの首に乗る。

約束通りヒトヒロワニは一日でホオリを日本に送り届けた。

 

「ヒトヒロワニ君、ありがとう。海神様とトヨタマヒメによろしくな」

そういって、ホオリは腰に差していた小刀を取ると、ワニの首にかけて送り返した。

 

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古事記の話 目次 

 

 

☆ワニ

 

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因幡の白兎の話でも出てきたワニ、爬虫類のアリゲーターやクロコダイルではなく、軟骨魚類のサメのことです。

兎の皮をはいだサメ、今でも凶暴な魚として知られています。

 

しかしこの話では海神の命に従ってホオリを安全に陸上まで送り届ける役を仰せつかりました。また天の御子から小刀をもらった上に、(ブログでは省略してますが)サイモチの神(佐比持神)という名を与えられています。

 

古代から海洋国家であった日本、海の王者であるサメへの畏怖心と信仰心が感じられます。

 

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