古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

高千穂に降臨する

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さて、こうして天降の準備は万端整った。

 

案内役の猿田彦を先導に、ニニギが続き、そのあとを伴の神々が従っていく。

 

ニニギの一行は、高天原を離れ、天の浮橋をつたって日本に降りていく。

アマテラスと造化三神八百万の神々も見送りに出て、小さくかすんでいく一行をいつまでも見守っていた。

 

ニニギの一行はたなびく雲をかき分けて降りていく。

その途中、天の浮橋の上で立ち止まった。

 

既に高天原は雲のかなたに隠れて見えない。

ニニギは気が引き締まる思いだった。

 

前を見ると、これも雲のかなたに山の峰がかすんで見えている。

 

「あれが筑紫の島、日向国、高千穂のクジフル岳です。あそこを目指していくのがよろしいかと思います」

案内役のサルタビコが言い、一行はクジフル岳に降臨していった。

 

こうして日本の地を踏んだ一行。

しかし、ニニギにとっては未知の地である。ここから先、一向に従ってきたオシヒとクメの二人が弓矢と太刀を携え、この二人が一行の先頭に立ってニニギを守りながら進んでいく。

 

そしてニニギは言った

「ここは海の向こうの朝鮮半島が望めて、笠沙の岬にもまっすぐ行くことができる。朝日が差し、夕日が照る良い地だ」

そしてここに礎石を造り大きな柱を立て、宮殿を作ってそこを宮処(みやこ)とした。

 

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古事記の話 目次 

 

 

☆高千穂の宮

 

 この後、ニニギから三代にわたって高千穂の宮にとどまることになります。現在の高千穂神社といれています。(他にも比定地は諸説あります)

 

karibaryokouki.hatenablog.com

 

☆クジフル岳

 

一方、ニニギの一行が下ったのがクジフル岳。古事記では「竺紫の日向の高千穂の久士布流多気」と記載されています。

高千穂神社のそばに槵触山(くしふるやま)があり、その中腹には槵触神社(くしふるじんじゃ)が建立されています。

 

karibaryokouki.hatenablog.com

 

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