アマテラスは、年若いニニギを補佐するために、多くの神を従わせることにした。
コヤネ、フトダマ、ウズメ、イシコリドメ、タマノオヤの5人の神を五伴緒として、ニニギの周りでサポートさせることにした。
さらに祭祀や政治をつかさどる神としてオモイカネ・タヂカラオ・イワトワケを副官として伴わせた。
アマテラスが天岩戸にひきこもった時に活躍した神々が、今度はニニギを助け一緒に日本に降臨することになったのである。
さらにスサノオから献上された草薙剣(くさなぎのつるぎ)、それに天岩戸事件の時、アマテラスを岩屋から誘い出したときの八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)をニニギに与えた。
アマテラスは孫のニニギを近くに呼び寄せ、ニニギの手を握り言った。
「この剣、玉、鏡には私の魂が込められています。ニニギ、大事に祀ってくださいね。私はいつまでもあなたを見守っています」
そういうアマテラスの目には涙が潤んでいた。
ニニギは気が引き締まる思いだった。
「お祖母様、ありがとうございます。日本の国が今よりももっと栄えるよう、頑張ってまいります。お祖母さまもおげんきで」
これらの剣・玉・鏡は、天の御子のあかしとして、その後代々にわたり引き継がれていくことになった。
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テレビ・冷蔵庫・洗濯機・・・いや、違う・・・
草薙剣(くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)。
鏡は伊勢神宮に、勾玉は宮中に、剣は名古屋の熱田神宮に、それぞれ存在すると言われていますが、実際のところを知るすべはなく秘密のベールに包まれています。