古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

雉のナキメが遣わされる

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ワカヒコも8年もの間帰ってこない。

しびれを切らしたアマテラスとタカミムスビは、三度、八百万の神を集めていった。

 

「葦原の中つ国を今支配しているオオクニヌシを教え諭し、国を私のもとに取り戻すために派遣したホヒに続き、ワカヒコも帰ってきません。今度はどの神を遣わすべきであろうか。」

 

しかしあの勇敢で真面目なワカヒコが日本の国つ神に懐柔されるようなことがあろうか。神々は疑問に思っていた。オモイカネがそんな神々の心を代弁するかのように口を開いた。

 

「ここはワカヒコが本当にその役目を果たしているか探るべきです。雉の女神のナキメをワカヒコのもとに遣わしてみてはどうでしょうか」

 

みな賛成した。

そこでアマテラスとタカミムスビはナキメを呼び出し、命じた。

 

「そなたはこれから中つ国に降りて、先に降りたワカヒコのもとへ行きなさい。なぜ8年もの間復命しないのか、問いただすのです」

 

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