スサノオは屋敷の戸を開け、言った
「おい、終わったぞ!」
アシナヅチとテナヅチはその言葉に表に出てきた。そして血だらけでズタズタになっているおろちを見て息をのんだ。
スサノオは頭に差した櫛を取ると、ふっと息をかけた。するとそこには何事もなかったかのように、クシナダヒメが立っていた。
スサノオはおろちのしっぽから出てきた剣から、何かとてつもない神秘な霊力を感じた。そこでスサノオは、この剣を天のアマテラスに献上することにした。この剣は草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれるようになる。
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☆草薙剣
ヤマタのおろちのしっぽから出てきた草薙剣(古事記でのこの話における表記は「草那芸之太刀」(くさなぎのたち)はその後の皇室に継承され、アマテラスを岩屋から誘い出した八咫鏡・八尺瓊勾玉(やたのかがみ・やさかにのまがたま)とともに三種の神器のひとつとなります。
「草薙剣」の名前は後世、ヤマトタケル(倭建命・日本武尊)が敵から逃れるためにこの剣で野原の草を薙ぎ払ったことに由来するのですが、古事記では最初から「草なぎ」の名前で出ています。
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