イザナギから勘当され、高天原からは追放され、オオゲツヒメまで殺してしまったスサノオは、あてもなく出雲の国をさまよっていた。
出雲を流れる斐伊川のほとりまで来た。すでに夕日は沈みかけていた。
スサノオはこの先の当てもなく、疲れ果てて、呆然と斐伊川の流れる水面を見ていた。
その時、スサノオの目に、上流から流れてくるものが目に留まった。
「ん・・・あれは?」
スサノオは水の中に入り、流れてきたものを拾い上げた。
箸だった。
箸が流れてきたということは、この川上に人が住んでいるに違いない・・・
そう考えたスサノオは、上流に向かって歩き出した。
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☆箸
神話の時代から箸は日常生活に密着していることが分かります。縄文・弥生時代の遺跡からも箸とみられるものが出土しています。日本では7~8世紀のころには庶民も箸を使って食事をしていたようです。
ちなみにヨーロッパでナイフとフォークが使われるようになったのはついここ200年ほどのことであって、18~19世紀のころまでは手づかみで食事をしていたそうです。
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