古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

オモイカネの妙案

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アマテラスが天の岩屋にこもり、真っ暗になってしまった世の中。このまま放っておくわけにもいかない。

八百万の神々は、天の安川の河原に集まり相談した。しかし、なかなか良い考えは浮かんでこない。そこでオモイカネに一任することにした。オモイカネは造化三神の一人、タカミムスビの子でその名の通り思慮の神である。

 

オモイカネはしばらくじっと考えていたが、おもむろに口を開いた。オモイカネは皆に自分の考えを述べた。八百万の神々はその案に賛成し、早速準備に取り掛かった。

 

オモイカネは、まずは長鳴鳥をたくさん集めてこさせた。夜明を告げる鶏である。

 

さらに鍛冶の神アマツマラに金山から鉄を持ってこさせ、それを材料にイシコリドメに指示して鏡を作らせた。またタマノオヤには勾玉をたくさん作らせた。

 

そしてコヤネとフトダマに太占の占いをさせた。天の香具山の桜の木を燃やし、そこに鹿の肩の骨を入れ、入ったひびの形をコヤネとフトダマは読み取る。占いの結果をもとに天の香具山から榊を取ってきた。そこに勾玉をひもで結び、榊の枝の先に結びつける。枝の中ほどに鏡をかけ、根元には白と青の神布を結び付けた。

 

さあ、準備は整った。

 

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古事記の話 目次

 

 

  

☆オモイカ

 

オモイカネ(思金神)はその名のごとく、様々な思慮が必要な場面で活躍します。

 

後に天孫降臨の際、アマテラスの孫ニニギを補佐するため随伴して降臨し、秩父国造(ちちぶのくにのみやつこ)の祖となり、子孫は武蔵国秩父地方を支配したと言われています。

 

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