次にスサノオが口を開く
「じゃ、俺は姉さんが着けている玉をもらおうか」
アマテラスは自らの髪と両腕につけていた5つの勾玉を外し、スサノオに渡す。スサノオも天真名井の湧水ですすいでから、口に含み、ふーっと息を噴出した。息は霧のように広がり、5人の男神が生まれた。後の皇室へと続くオシホミミ、それにホヒ、アマツヒコネ、イクツヒコネ、クマノクスビである。
こうして子供を産み終わって、アマテラスは言った。
「先に生まれた三人の女神は、スサノオの剣から生まれたのでスサノオの子です。あとから生まれた5人の男神は、私の勾玉から生まれたので私の子です」
それを聞いたスサノオはアマテラスに言う。
「姉さん、どうだい?俺が生んだのは、華奢で優しい女の子だ。これはつまり、俺が清く明るい心を持ってるという証拠だよ。この誓約、俺の勝ちと認めるかい?」
「ええ、その通りね・・・スサノオ、疑ってごめんなさい」
こうしてうけいはスサノオの勝ちとなった。
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☆うけいの結果
スサノオは女神を産み、アマテラスは男神を産みました。か弱く優しい女の子を産んだのでスサノオの勝ち、ということになっています。
日本書紀では逆に、スサノオが「男の子を産んだら俺の勝ちだ」と先に宣言してからうけいに臨むことになっています。
この差は何なのか?学者の間ではいろんな解釈がなされているようですが、
素朴に「女の子を産んだから心がきれい」と考えたいな・・・、と思うのはぼくが男だからでしょうか。
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