こうして、アマテラスとスサノオは互いに子を産むことになった。現代的な感覚で言うと奇妙だが、まあ神のことである。この二人だってイザナギの左目と鼻から生まれてきたのだから、一人で子を産むなんて簡単なことだろう。
二人は高天原の真ん中を流れている、天の安川を挟んで向かい合って立った。
アマテラスが言う
「その剣を渡しなさい」
スサノオは腰に差した剣を外すと、うやうやしくアマテラスに差し出した。
剣を受け取ったアマテラスは、それをボキボキッと三つに折ったと思うと、天真名井から湧き出る神聖な水ですすぎ、口に含んだ。そしてかみ砕き、ふーっと息と一緒に噴出した。
息は霧のように広がり、三人の女神が生まれた。タキリヒメ、イチキシマヒメ、タキツヒメであり、後に宗像三女神といわれるようになる。
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☆宗像大社
この時産まれた三人の女神は福岡県宗像市の宗像大社に鎮座されています。
この地は瀬戸内・関門海峡から朝鮮半島にわたる重要な拠点であり、この地を支配した宗像氏は絶大な権力を持っていました。
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