古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

イザナギとイザナミ、神を産む

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イザナミは続けて数多くの小島を生んだ。

こうして国の形は出来上がった。

 

イザナギイザナミは、オノゴロ島の高台にある宮殿に立ち、周囲を見渡していた。

 

イザナギイザナミに言った。

イザナミ、よく頑張ったな。」

 

もうすっかり元気を取り戻したイザナミは笑顔で答える。

「ええ、ありがとう・・・でも・・・」

 

「ん?イザナミ、どうした?」

「ねえ、イザナギ、この国・・・なんか、殺風景すぎない・・・?」

「そうだな・・・国を作った以上、山も川も、動物も人必要だな・・・」

「そうよ、イザナギ!国にはもっと、必要なものがいっぱいあるのよ!」

「うん・・・でも、どうすれば・・・」

「簡単よ!生み出せばいいのよ!イザナギ、わたし、今度は神を生むわ」

「おい、イザナミ、お前、国を生んだばかりだろ、体大丈夫か?」

「平気よ」

 

こうしてイザナギイザナミは頑張った。そしてイザナミは次々と神を生む。

岩の神、砂の神、家の神、海の神、水の神、田の神・・・

こうして神々が生まれると、日本の国は見違えたようになった。山も草木も生まれ、精気を得た。魂を得た動物たちも生まれ、動き、食べ、眠り、次代を残す営みをするようになった。

人も生まれ、田畑を耕し、漁を行い、笑いながら、泣きながら、生き生きと暮らすようになった。

 

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古事記の話 目次

 

 

神道

 

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こうして、日本の国は神羅万象あらゆるものに神が宿ることになりました。

 

人類の誕生とともに原始宗教が発生し、それはあらゆるものが精霊を持つと考える、アニミズムのようなものだったと言います。その多くは文明の発達とともにキリスト教や仏教のような人工宗教に置き換わっていきました。

そんな中、日本はアニミズムの流れをくむ民俗信仰が、後に仏教が入って来ても消えることなく併存してきました。それは一般に「神道(しんとう)」と呼んでいますが、今も祭礼から日常の風習まで深く根付いています。

 

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