イザナミは、最初の元気はどこに行ったのか、とても落ち込んでいた。無理もない、がんばって産んだ子が得体のしれぬ、形なきものだったのだから。
「おい、イザナミ、元気出せよ!子供ならまた作ればいいんだからさ!」
「だって・・・」
「イザナミ!気分転換に高天原に帰ってみようか。先輩の神々もいるし、相談すれば何か道が開けるかも」
「そうね・・・」
二人は高天原に昇っていった。
イザナミ・イザナギは高天原の神殿を訪ねていった。そこにはアメノミナカヌシ・タカミムスビ・カミムスビの造化三神がそろっていて、イザナギ・イザナミを温かく迎え入れてくれた。
「ただいま戻りました」
「おう、イザナギとイザナミじゃないか。どうだ、元気にやってるか?」
「国造りはどうだい?進んでいるかい?」
「いえ、それが・・・」
「ん?なんかあったのか?」
「実は・・・」
イザナギとイザナミは、なかなか子供に恵まれないことを打ち明けた。
皆沈黙し、重苦しい空気が流れた。その時、アメノミナカヌシが口を開いた。
「よし、太占(ふとまに)をやってみよう」
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☆太占
太占(ふとまに)は古代日本で行われていた占いで、鹿の肩甲骨を桜の木で焼き、ひびが入った形を見て占うものです。
支那の国では亀の甲羅を焼いて占っていたそうです。
魏志倭人伝には「倭人は何かあれば骨を焼いて吉凶を占う。その様子は令亀法に似ている」と記されています。
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