古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

ホヒ、寝返る

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早速スサノオとの誓約で誕生した、アマテラスの御子五柱の男神の次男、ホヒが高天原から地上のオオクニヌシのもとに派遣された。

 

しかし、ホヒの足取りは重かった。

の浮橋から地上に向かう道すがら、ホヒは考えていた。

 

・・・果たして絶大な権力を持ち、民の信頼も厚いオオクニヌシに、どうやって国を譲れというのだろうか・・・とても難しい・・・しかし、一度仰せつかった役目を果たせずに帰るのも恥ずかしい・・・

 

それに、たとえこの困難な役目を果たしたところで、自分は次男坊・・・日本の国を統治するのは兄オシホミミに決まってる・・・自分にとっては何もいいことは無いではないか・・・

 

それよりも、絶大な権力をもったオオクニヌシの臣下に入ったほうが良いのでは・・・そのほうが日本でいい思いができるに違いない・・・

 

そんなことを考えながら、気が付くとホヒはオオクニヌシの屋敷の門前に来ていた。

 

「よし!」ホヒは決心した。

オオクニヌシに面会を願うと、本来の目的は封印し、オオクニヌシのもとで日本のために働きたいと申し出たのである。

 

オオクニヌシはわざわざ天上界から降りてきたホヒを歓迎し、出雲国の知事に任命した。

 

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古事記の話 目次 

 

 

出雲国造

 

こうしてオオクニヌシの一門に入ったホヒ、その子孫は代々にわたって出雲国造(いずものくにのみやつこ)として出雲の国を支配して来ました。後に政治の実権は失いますが、その後も出雲大社の祭祀をつかさどってきました。

現在はホヒから数えて84代目の千家尊祐が出雲国造となっています(令和元年8月17日現在)。

 

島根県松江市神魂神社は初代出雲国造のホヒが創建し祭祀を行っていたと言われています。

 

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