古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

雄略天皇

都に帰るオケとヲケ

シジムの屋敷の新築祝いでその正体を明かしたオケとヲケ。朝廷から派遣されていたオタテは慌てて駆け寄るあまり、土間に転げ落ちてしまった。 それを見たオケとヲケが駆け寄る。 「ああっ・・大丈夫ですか!?」 「いえ・・御子の苦労に比べたら、なんてこと…

舞う少年

シジムの家の新築祝いで舞を舞うように命じられた釜焚きの少年の兄弟。意を決した兄は前に進み出て構えた。その姿にまた、どっと笑い声が響く。 しかし・・・ 少年が舞い始めると、その笑い声は消え、会場は凍り付いた。 何だ・・・この滑らかな舞は・・・こ…

播磨の国、シジムの屋敷で

播磨の国に、朝廷からオタテという人物が地方長官として派遣されていた。 ある日、オタテはこの地の豪族シジムの家に招かれた。シジムが屋敷を建て直したので、その新築祝いに招かれてきたのである。 シジムの屋敷では、にぎやかに宴会が開かれていた。酒に…

私がオバアさんになっても

巡行に出た先で美しい少女に出会い「宮中に召し出すから嫁には行かずに待っていてくれ」と言ったまま忘れていた天皇。それから数十年の時が経ち、今は老婆となったその時の少女アカイコが天皇に謁見していた。 「あ・・アカイコか・・あの時の・・」 「ああ…

天皇を訪ねてきた老婆

ある日、天皇のもとに、一人の老婆が訪ねてきた。老婆はたくさんの進物を持参し、天皇に献上してきた。 老婆の謁見を受けた天皇。その名もない老婆に不信を抱く。 天皇は老婆に対して 「数多くの献上、感謝する。しかし、そなたはまた、何のために来たのだ?…

神様への献上品

葛城山に巡行に出た天皇、その途中行幸の列と全く同じ姿形の人たちと出くわした。そして天皇が名を問えば同じ言葉を返し、弓矢を構えれば同じことをする。 天皇は弓矢を構えたまま叫ぶ 「名を名乗れ!さもなくばこちらから矢を放つ!」 すると、今までオウム…

マネするな!

天皇はその後、再び葛城山に巡行に出ていた。 この時、天皇は供としてについていく多くの官人たちに、青染めの服と赤い帯を下賜した。そして当日はこれを着ていくように命じた。 天皇が下賜した、そろいの服を官人たちが来ているさまを人民(おおみたから)…

天皇も怖がりゃ木に登る

天皇が葛城山に狩りに出かけたときのことである。 そこで天皇の前に現れたのは、巨大なイノシシであった。 「よし、あのイノシシはわたしが仕留める。お前らは手を出すな!」 天皇は供についてきた近習のものにそういうと、弓を構え矢をつがえた。 狙いを定…

杯に落ち葉が・・

またある時、新嘗祭の饗宴が開かれていた。その日の饗宴はたわわに茂ったケヤキの木の下で行われていた。 そこ三重から来た采女(うねめ、食事などの世話を行う女官)が天皇の前に進み出て、酒が入った杯を両手に捧げ、頭を下げた。ところが・・ 杯には茂っ…

日を背にして

志幾の大県主の家を離れた天皇は、当初の目的通りワカクサカのもとに向かっていた。 ワカクサカの兄、オオクサカの屋敷にに着いた。この屋敷にワカクサカもいる。 天皇は大県主から献上された白犬を側近を通して 「きょうここに来る道すがら手に入れた、大変…

白犬

大県主の屋根の上に鰹木がのっていることを見とがめ、家を燃やすように命じた天皇。兵士たちは大県主の家に押し入り、稲わらを積み上げ今まさに火をつけようとしていた。 このただならぬ様子に家の主人、大県主が飛び出してきた。事情を知った大県主は、遅れ…

鰹木を並べた家

自分の兄を殺し、履中天皇の御子オシハを暗殺し、その幼い御子オケとヲケも軍を送って追放したオオハツセ。皇位継承権を持つものを次々と消していった彼は、大和の朝倉宮で天皇に即位した。第21代雄略天皇である。 ある日、天皇は河内の日下(くさか)に行幸…