古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

神武東征

二代目天皇の即位

タギシミミの反逆を知った3人の御子たち、ここは先手を打って、タギシミミを亡き者にしてしまおうと考えた。早速今夜に実行することにした。 しかし長兄のヒコヤイミミはおじけづき、逃げ出してしまった。そこで次兄のカムヤイミミと、末子のカムヌナカワで…

タギシミミ、皇位を狙う

神武天皇と皇后イスケヨリヒメの間には3人の男児が産まれた。上からヒコヤイミミ、カムヤイミミ、カムヌナカワと名付けられた。 さて、天皇がまだ日向にいた時代に結婚してタギシミミという子が産まれていた。 そしてタギシミミは天皇が即位した後、天皇を追…

オオクメの眼

天皇はオオクメとともに、イスケヨリヒメが住む高佐士野に来ていた。 するとそこに、少女が7人、連れ立って歩いてきた。 そこでオオクメは天皇に言った。 「あの中にイスケヨリヒメがおります。どなたかお分かりですか? 「先頭を行く、背の高い美しい娘では…

皇后、神の御子

イワレは天皇として即位した。後に神武天皇といわれるようになる、初代天皇の誕生である。 即位後のあわただしさも落ち着いた数か月後、天皇は皇后となる女性を探していた。もともと日向にいたときに結婚をし子もいたが、さらに国の基礎をかためるため皇后と…

神武天皇の即位

こうして各地の荒ぶる神を平定したイワレは大和に入った。 イワレは宣言した。 「私は東に向けて出発して以来、天の神の威光をもって国を平定した。これからは大御宝(おおみたから)である日本の民の幸せを願い、平安に日本の国を統治していかねばならない…

日向からの東征、終わる

イワレはナガスネビコに向かって言った。 「お前が見せたものに偽りはない。確かにお前が君と仰ぐニギハヤヒは天の御子のようだ。だが、私も天の御子なのだ」 そういってイワレも、自身がアマテラスから代々受け継いだ矢と武具を、ナガスネビコに見せた。 そ…

天の御子は・・

戦いはイワレの勝利だった。 イワレは飛び去っていく金の鵄に向かって言った 「アマテラス大御神は、しっかり我々のことを見守ってくれていたんだ・・・ありがとうございます」 そこに、イワレの兵につれられて、敵軍の将であるナガスネビコがイワレの前に引…

決戦・・撃ちてし止まん!

熊野に上陸し、各地の豪族を従え、また征服しながら北上してきたイワレの一行。季節は12月、冷たい空気が張り詰める中、いよいよ大和に迫ろうとしていた。 かつてイワレとイツセの上陸を阻み、兄のイツセを射殺したナガスネビコの本拠地である。 もちろん、…

今度はイワレが策略を・・

イワレは単身、ヤソタケルの陣地に出向いていった。そしてヤソタケルに会うと、頭を下げていった。 「ヤソタケル様、我々はあなたに反抗する気は全くありません。あなたのもとに仕えたいと思い、日向からはるばる出向いてきたのでございます. そのあかしに…

ヤソタケル

エウカシは自分が仕掛けた罠にはまり圧死してしまった。 オトウカシはイワレに恭順の意思を示し、改めてイワレと兵士を招いて盛大な饗宴を開き一行を歓迎した。 そしてイワレの一行は宇陀の地を出発し、忍坂(オシサカ)についた。 そこはヤソタケルの支配下…

策略の果てに・・

イワレはミチノオミとオオクメを伴ってエウカシの屋敷にやってきた。 エウカシは満面の笑みを浮かべながらイワレたちを出迎える。 「天の御子様、ようこそおいでくださいました。さあ、あちらに歓迎のための御殿を用意してあります。どうぞ、中にお入りくだ…

オトウカシの進言

イワレはエウカシ・オトウカシの屋敷に招かれ、これから向かおうとしていた。念のためにミチノオミとオオクメも伴うことにした。二人は天孫降臨の際ニニギを先導してきたオシヒとクメの子孫である。代々、天の御子の軍勢を束ねてきた、最も信頼が置けるイワ…

エウカシとオトウカシ

イワレの一行は宇陀の地についた。そこを支配しているのはエウカシとオトウカシの兄弟だった。 一行についてきた熊野の国つ神たちによると、この兄弟は宇陀の地を独占的に支配しており、他者の干渉を大変嫌うらしい。そこでまず、八咫烏を使いにやることにし…

八咫烏とゆかいな仲間たち

話を聞いたイワレは、何とも言いようのない不思議な気持ちだった。 「・・・そうか・・・タカクラジ、ありがとう。アマテラス大御神など遠い昔のことだと思っていたが、ちゃんと我々を見守ってくださっていたんだな・・・」 タカクラジは続けて言った。 「イ…

タカクラジの夢の話

そこは、高天原の神殿でした。アマテラス大御神とタケミカヅチの神がいたのです。そしてアマテラス大御神は、タケミカヅチの神に向かって言いました。 「いま、日本の国で、私の御子たちが苦難に直面しています。 日本の国はそなたが平定し、私の御子のもと…

タカクラジに助けられる

イワレとその軍勢は、大熊の霊気に当たって、みな気を失って倒れてしまった。 ・・・どれくらいの時間が立ったろうか・・・ イワレが目を覚ました。 最初はわけわからなかったが、そのうち倒れたときの状況を思い出してきた。 「しまった!いったいどのくら…

苦難の行軍

イワレは頼りにしていた兄を失った。 イワレの心は悲しみと不安でいっぱいだった。しかしその感傷に浸っている暇はなかった。 イツセが無き今、イワレは日向から率いてきた軍勢を指揮して進んでいかなければならない。イワレには兄の遺志を引き継ぎ、安定し…

イツセの死

ナガスネビコの奇襲を受けたイツセとイワレの兄弟は、防戦一方だった。 うわーっ! イワレはすぐ横で兄・イツセの悲鳴を聞いた。 振り向くと、イツセの腕に矢が刺さっていた。腕から流れ出す血でたちまちイツセのまわりは真っ赤に染まった。 「兄さん!」 慌…

ナガスネビコの奇襲

吉備の高島宮を出港したイツセとイワレの兄弟の船団は、サオツネビコの案内で難所である速水門も無事に切り抜け、難波の入り江深くに入っていった。そして白肩の津に船団を停泊させた。 イツセとイワレはここから陸路、大和を目指し、そこに都を造営する計画…

早水門

イツセとイワレの兄弟は、安芸・吉備での数年間の滞在中、各地の豪族を従え東国統治の基礎をかためていった。そして兵站を整えて、東に向け船団を出港させた。 するとそこに、亀の背に乗って釣りをしながら船団に向かってくる男がいた。。 兄弟は興味を持ち…

瀬戸内海を東へ

こうしてイツセとイワレの兄弟は、多くの軍勢を従えて日向を出港した。 兄弟の船団は日向灘を海岸沿いに北上し、豊の国の宇沙にいったん上陸した。 そこで、兄弟の前に一組の男女が現れた。 「わたしはこの土地の領主でウサツヒコ、それに妹のウサツヒメでご…

東に行こう

太陽神アマテラスの孫、ニニギは日本の国を統治するために、高天原から日向の高千穂峰に降臨し、そこに宮を造営した。その後、ニニギの子ホオリ、孫ウガヤフキアエズと三代にわたり、高千穂の宮で日本の国を統治していた。 ウガヤフキアエズには4人の男子が…