古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

サホビメと天皇の夢

野見宿祢の自伝 5 陛下はその日の出来事をわたしに話された。 その話によると、陛下は激務でお疲れになっていた。そして、お后であるサホビメ様の膝枕で、お昼寝をされていたという。 その時、夢を見たそうだ。 その夢はというと、サホビメさまの出身地であ…

サホビコを討伐

野見宿祢の自伝 4 わたしとケハヤとの天覧相撲から数か月がたった。 天覧相撲のあと、わたしは出雲に戻ることなく、そのまま大和にとどまり陛下に仕えていた。出雲の祭祀と政務は、わたしの息子のキイサツミが引き継いでやってくれている。 ある日の午後、わ…

相撲を取る

野見宿祢の自伝 3 出雲から大和に上ってきた翌日。 宮殿の近くに、わたしとケハヤとの相撲の取り組みのため、土俵が作られていた。土俵のわきには陛下が着座されており、わたしとケハヤは陛下の侍従に従って陛下の御前に進み出た。 「ノミにケハヤ、ご苦労で…

垂仁天皇に拝謁

野見宿祢の自伝 2 わたしは大和に着くと、さっそく宮中に参上した。そして陛下の御前に通されたのだ。陛下の御名はイクメイリヒコ(垂仁天皇)、初代神武天皇から続く第11代目の天皇(すめらみこと)である。 「出雲のノミ、おもてを上げるがよい」 陛下の凛…

野見宿祢の自伝 プロローグ

野見宿祢の自伝 1 わたしの名はノミ。出雲国に生まれた。 わたしの家系は代々、出雲国造を務めている。その祖をたどると、アマテラス大御神の次男、ホヒにたどり着く。 はるかな悠久の神代の昔、ホヒは高天原から出雲国に降臨し、オオクニヌシの大神のもと初…

お知らせ

拙ブログをいつもご覧いただきありがとうございます。 しばらくお休みをいただいていた「古事記の話」ですが、明日5月14日から再開します。 第11代垂仁天皇の御代を、相撲の祖とされる野見宿祢の語りで綴っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。…