古事記の話

古事記を小説風に書き直してみました

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

オオクニヌシよ!!

とにかく、逃げたオオナムヂとスセリヒメを追いかけねば!! わたしは髪の毛に結び付いた柱をほどこうとしたが、からまってなかなかほどけない・・・えい!面倒な! わたしは十束の剣(とつかのつるぎ)を手に取ると、それで柱ごと髪の毛を切った。そして柱…

逃げ出した!!

ぐわわ~~ん!! 突如、大きな音がひびいた・・・ ・・・そうだ、わたしはオオナムヂに頭のシラミ・・・いや、ムカデを取ってもらっている最中に眠り込んでしまっていた・・・それにしてもなんだ?この大きな音は?! わたしはすぐに、ガバッと跳ね起きた。…

シラミをとれ!

焼け野原から戻った我々は、宮殿の広間に入って行った。 広間に入るなり、わたしはゴロンと横になった。 向こうの壁のほうを向いてから、オオナムヂに背中越しに言った。 「ああ、オオナムヂ!頭がかゆくてたまらん!頭のシラミをとってくれ!!」 「はい、…

焼け野からオオナムヂが

まだ煙がくすぶる焼け野原の向こうから、ゆっくりと人影が近づいてくる・・・オオナムヂだ。 この大火の中を乗り切ったわけか・・さすがだ。 しかしどうやって、この猛火を逃れたのだろうか・・ オオナムヂはゆっくり近づいてきた。その身体、やけどひとつし…

火に巻かれたオオナムヂは・・・

オオナムヂを野原の真ん中に誘い出し、周囲に火矢を放った。枯れ草は勢い良く燃え上がり、四方は火の壁となってオオナムヂに迫ってくる。さあ、この難局をオオナムヂはどうやって抜け出すか・・・楽しみだ・・・ 翌朝 スセリヒメがわたしのもとに来て言った …

火!!

さて、オオナムヂを蜂と百足の室屋に閉じ込めた翌朝、また昨夜と同じようにスセリヒメにオオナムヂを迎えに行かせた。 「スサノオ様、おはようございます。おかげさまで、昨夜もゆっくり眠れました」 オオナムヂは元気よく挨拶する。それはそうだろう、スセ…

ひれ

その夜、わたしはオオナムヂを「蜂と百足の室屋」に閉じ込めた。その時、宮殿の外に出ていくスセリヒメの姿が目に留まった。いったいどこに行くのだ? わたしはスセリヒメに気づかれないよう気を付けながらあとをつけた。 スセリヒメは、オオナムヂを閉じ込…

スセリヒメが外に

さて、オオナムヂを蛇の室屋に閉じ込めた、翌朝。 さあ、オオナムヂどんな顔をして起きてくるだろうか、まあ奴のことだから死ぬことはなかろうが、蛇に囲まれて一睡もできなかっただろう・・・ 「おーい、スセリ!オオナムヂをここに連れてきなさい」 一刻後…

客間に閉じ込める

わたしはオオナムヂを宮殿の一室に案内し、扉を開けると 「ここがお前が寝る部屋だ、入れ」 と言った。 「はい、ありがとうございます」 オオナムヂは素直に部屋の中に入って行った。 オオナムヂが部屋に入った後・・・ わたしは扉に外から閂をかけた。これ…

オオナムヂを客間に

オオナムヂは、出雲の国からこの根の国に来た事情を話してくれた。 彼はわたしとクシナダヒメの子孫、6代目に当たる。彼には大勢の異母兄がいて、兄弟たちの末っ子だったそうだ。 異母兄たちは、因幡のヤガミヒメのもとに求婚に向かったそうだ。しかしヤガミ…

アシハラシコオ

オオナムヂという若い神が、根の国のわたしのもとに訪ねてきた。 わたしは一目で見抜いた。そいつが普通ではない、とんでもないやつであることを・・・ この若い神は、とてつもない霊力を持っている。その気になれば日本を支配することも簡単にできるだろう…

オオナムヂが訪ねてきた

「父上、お客様だです」 その日、スセリヒメがわたしのところに来て言った。 「なに?客だと?」 わたしは不振に思った。 この根の国には、わたしとスセリヒメしかいないはずだ。それとも、地上の日本から訪ねてきたのか?何のために? 「どんな奴だ?」 「…